漁港・港湾・海岸保全施設台帳

漁港・港湾施設とは、港域を波浪、潮汐などから防護する外郭施設(防波堤、護岸、堤防、防潮堤など)、係留施設(岸壁、物揚場、桟橋、船揚場など)、水域施設(航路、泊地)などを指し、海岸保全施設とは、津波、高潮、波浪などによる被害から海岸を防護する施設(堤防、水門、突堤、護岸、胸壁、離岸堤、砂浜など)を指しています。

施設台帳では、①港の名称、種類、所在地及び区域、②施設の種類、名称、所在地、構造及び規模又は能力、③施設の所有者及び管理者、④施設の建設又は取得の年月日、⑤施設の建設や補修・補強・改良・取替えの経緯、⑦施設位置図や断面図など、維持管理上、必要な事項を記載しています。

施設台帳は、長い間、紙の台帳ベースで作成・保管管理されてきましたが、現在では、阪神・淡路、東日本大震災に見られるように、施設の倒壊や台帳資料の紛失等により、施設の復旧や管理が困難になるケースが増えつつあります。

一方、従来の管理では、施設の老朽に伴い、数多くの補修、増減が繰り返されるため、台帳の修正・管理の煩雑さや保管台帳・図面の劣化などの課題が生じています。このため、現在では、施設台帳の各種情報等(台帳、地図情報、図面情報、写真情報等)を積極的に電子システム化し、施設の維持管理を効率的に実施すると同時に、今後、予想される東南海・南海地震など大きな災害時における復旧を迅速に対応可能とするための体制作りをしています。

(2015年11月18日 初稿)

English

Inentory of Ports and Coastal Protection Facilities

定義

施設台帳は、空港、港湾、道路、農業、漁業、上下水道、学校などさまざまな公共事業により、建造・建築された公共施設の管理者、規模、規格、工事経緯などの基本情報を取りまとめた帳票の総称です。このうち、漁港・港湾・海岸保全施設台帳は、漁港・港湾や海岸に位置する防波堤、岸壁、護岸、荷揚・保管施設など物流に必要な施設や災害から人命や財産を守る施設について、管理者が法律に従い情報を取りまとめたものです。