水位周知下水道

都道府県知事または市町村長は、内水により相当な損害を生ずるおそれがある公共下水道等の排水施設等を「水位周知下水道」として指定します。

内水による被害が想定される地域の人口および資産の集積や、経済活動の状況等から相当な被害が予想される下水道を指すものであり、都道府県知事または市町村長が総合的に判断するべきものですが、例えば、氾濫水が地下街等に一気に流入し、人的被害が発生するおそれがある地下街等が発達している区域に存する下水道が想定されます。

住民の避難等に資する情報を的確に提供するため、水位周知下水道において内水による災害の発生を特に警戒すべき水位として「内水氾濫危険水位」を定め、水位周知下水道の水位がこれに達したときは、都道府県知事または市町村長は「内水氾濫危険情報」を発表し、都道府県および市町村の水防計画で定める水防管理者および量水標管理者に通知するとともに、必要に応じて一般に周知しなければいけません。

地下街等が発達している区域における内水氾濫危険情報は、一般的なビル等の地下空間利用者の避難開始や、不特定多数の者が利用する地下街等における避難確保・浸水防止計画に基づく避難確保・浸水防止対策開始の判断材料の一つになります。

なお、水位周知下水道として指定され得る対象施設は、公共下水道等の排水施設またはこれを補完するポンプ施設若しくは貯留施設であり、道路側溝等、その他の排水施設は含まれません。

参考文献
国土交通省水管理・国土保全局下水道部(2016):水位周知下水道制度に係る技術資料(案), pp.6-8

(2019年05月15日 更新)
(2016年10月26日 初稿)

English

the storm water drainage system possibly causing serious inundation damages (仮訳)

定義

水位周知下水道とは、水防法第13 条の2 に基づき、都道府県知事または市町村長が内水(水防法第2 条第1 項に規定する雨水出水をいう。)により相当な損害を生ずるおそれがあるものとして指定した公共下水道等の排水施設等のことです。