軟弱地盤解析

軟弱地盤とは、特に河口部や海岸部などに分布しており、主に粘土や砂などで成り立っています。
このような地域は人口が多く、家屋やビルなどの構造物が密集しているため、土木工事において大変対応が難しい地域です。

例えば、粘土地盤に盛土をする場合、盛土と共に沈下が発生するなど、目標の高さを施工するためには、沈下を止めるか・沈下しながら目標の高さを確保する必要があり、併せて沈下による周辺への影響も考える必要があります。一方、砂地盤では地震の際に、地盤内の水が噴水のように噴き上がり、泥水化してしまう現象(液状化)も生じます。

このような現象を事前に解析し、評価や対策を考えるのが“軟弱地盤解析”です。

軟弱地盤解析には、過去の現象から作られた経験式を用いる方法や地盤をモデル化し、有限要素法(FEM解析:Finite Element Method)を用いた解析を行い、発生する現象を評価する方法があります。

例えば、東日本大震災で発生した軟弱地盤の現象として、“液状化による堤防や構造物の変形・支持力低下による構造物の転倒(倒れ)や破壊(滑り)”があります。これは、日本各地で起こり得る現象であり、事前の評価と対策が必要となる現象です。

このように、社会を支える地盤の中でも、特に人口や構造物の密集する平野部の地盤は、軟弱地盤で成り立っていることが多く、事前に発生する現象を解明し評価や対策を考えることが、より安全で安心な社会を作るために必要となっています。

基礎地盤の液状化と推定される堤防の主な被災

(2019年05月17日 更新)
(2015年01月26日 初稿)

English

Soft Ground Numerical Analysis

定義

軟弱地盤解析とは、社会インフラを支える地盤に発生する様々な現象(崩壊・沈下・液状化など)を解明するために、地盤モデルを構築して数値解析を行ない、現象の評価や対策の必要性を考えるための技術です。