地方公会計制度

少子高齢化や建築物の老朽化問題など、国及び地方公共団を取り巻く環境はめまぐるしく変化してきています。一方で、地方分権が進む中、地方公共団体にはこれまで以上に自由でかつ責任ある地域経営が求められており、そのためには内部管理の強化と外部へのわかりやすい財務情報の開示が不可欠と考えられています。国は、地方公共団体がこれらの課題に向き合っていく手段の1つとして「新地方公会計制度」を取り入れました。このことにより、原則として平成27年度から平成29年度までの間に、全ての地方公共団体が統一的な基準による公会計に対応することが求められ、新たな会計制度のもとでの自治体運営を行うことになります。
【新地方公会計制度の目的】
 ①資産・債務管理
 ②費用管理
 ③財務情報のわかりやすい開示
 ④政策評価・予算編成・決算分析の関係付け
 ⑤地方議会における予算・決算審議での利用

参考文献
・新地方公会計制度研究会報告書(2006年5月、総務省)
・統一的な基準による地方公会計の整備推進について(2015年1月、総務大臣通知)

(2016年10月31日 初稿)

English

The new local public accounting system

定義

公会計は、国及び地方公共団体で行われる会計方式の総称です。国が進める地方分権の推進に向けて、特に地方公共団体では自立した行政運営が求められるようになります。例えば、税金の使い道や行政サービスに対する費用対効果分析などを財政管理と関係付けることでより地域の実情に即した事業選定につなげていくことが可能となります。このような背景のもと、総務省から平成27年1月に地方公共団体に対する新たな会計制度として、「統一的な基準による地方公会計」のマニュアル類が公表されました。“新地方公会計制度”はこの新しく整備された会計制度のことであり、今後は国及び地方公共団体が同じ基準(考え方)で会計報告していくことになります。