土砂災害警戒区域

平成11年6月に広島県で32名もの死者・行方不明者を生じた土砂災害をきっかけに、平成13年4月に土砂災害防止法が施行されました。土砂災害防止法では、土砂災害(「がけ崩れ」、「土石流」、「地滑り」)から人命及び身体を守ることを目的に、土砂災害による危害のおそれのある区域を明らかにし、警戒避難体制の整備が必要な区域を土砂災害警戒区域として都道府県が指定します。

全国の警戒区域の指定状況は、平成26年8月時点で約36万区域が指定されています。指定された警戒区域は、市町村が「土砂災害ハザードマップの作成・周知」などの警戒避難体制の整備が図られます。また、警戒区域のうち、建築物が損壊し人命及び身体に著しい危害をおよぼすおそれのある区域は土砂災害特別警戒区域(以下、特別警戒区域)として都道府県が指定し、宅地の売買や老人ホームなど災害時用援護者施設の建築の開発行為について都道府県知事の許可が必要になり、住宅を建てる場合には土砂災害に耐えうる構造にしなければならないなどの規制を受けることになります。

しかしながら、まだまだ未指定箇所が多い状況にあります。一方、土砂災害は毎年のように発生しており、最近では平成25年の伊豆大島災害や平成26年の広島災害などこれまでにない甚大な被害を及ぼす土砂災害が発生しています。このような状況から警戒区域や特別警戒区域の指定を推進し、土砂災害の危険性を把握し、警戒避難体制の整備などのソフト対策を充実させ、それらの情報を住民へ周知していかなければなりません。また、危険性が高い区域については砂防施設などのハード対策と合わせ人命を守るための対策を進めて行くことが必要です。

急傾斜における警戒区域・特別警戒区域

(2014年12月25日 初稿)

English

Sediment Disaster Warning Areas

定義

土砂災害警戒区域(以下、警戒区域)は、、土砂災害危険箇所において、空中写真より整備された1/2,500地形図を使用し現地調査等を行い、「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(以下、土砂災害防止法)に基づき設定される土砂災害による危害のおそれがある区域で、設定された区域において人命及び身体を守るため警戒避難体制の整備が行われます。