PCM手法

プロジェクトを実施するには、目的、期間、活動内容、必要な人材や資金などをあらかじめ計画しなければなりません。また計画通りに活動が進んでいるかどうか、目的が達成されたかどうか、うまくいった、あるいはいかなかった要因は何かを評価し、反省を活かすことも重要です。PCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)手法は、プロジェクトを計画、実施、評価する手法の一つとして、主に開発途上国での開発プロジェクトに用いられています。

PCM手法にはいくつかの特徴があります。その一つは「参加型で計画する」ということです。住民、行政機関、企業などのプロジェクト関係者による話し合いを通じて、いろいろな考え方を取り入れ、実現性が高く効果的なプロジェクトを計画します。また、PCM手法では、問題が生じる原因を的確に分析することが大切です。原因の克服は、問題解決の手段でもあるからです。そして、計画した内容はPDM(プロジェクト・デザイン・マトリクス)と呼ばれる一つの表にまとめ、以後、プロジェクトの管理は最後までこの表に基づいて行われます。

日本を初めとする先進国や国際機関は、開発途上国において様々なプロジェクトを実施して開発を支援してきましたが、1980年代ごろから期待通りの成果が上がっていないのではと指摘されるようになり、効果的にプロジェクトを運営する手法が求められていました。アメリカで開発されたロジカル・フレームワーク、ドイツで開発されたZOPPなどと呼ばれる手法を参考に、財団法人国際開発高等教育機構(当時、現一般財団法人国際開発機構)が開発したのがPCM手法です。現在は、日本の自治体などでも住民参加型の計画手法として使用されることがあります。

PDMの様式

(2019年05月17日 更新)
(2015年01月19日 初稿)

English

Project Cycle Management

定義

PCM手法とは、開発プロジェクトの計画・実施・評価という一連のサイクルを「PDM(プロジェクト・デザイン・マトリックス)」と呼ばれるプロジェクト概要表を用いて管理運営する方法です。