REDD+セーフガード

REDD+活動を実施する上では、活動が社会・環境等に負の影響を与えないよう配慮し、前もって予防措置をする必要があります。2010年にメキシコ国カンクンで開催された気候変動枠組条約第16回締約国会議(COP16)においてセーフガードの議論が重ねられ、表1に示す7つが、セーフガードとして配慮すべき項目として示されました。

表1 COP16で示されたセーフガード項目
①国の森林プログラムや関連する国際条約を補完する、またそれらと整合性のある活動
②国の法令や主権に配慮した透明かつ効果的である森林ガバナンス
③先住民や地域コミュニティの知識と権利の尊重
④先住民や地域コミュニティなど関連するステークホルダーの完全で効果的な参加
⑤天然林の保全や生物多様性保全と整合性のある活動
⑥森林に蓄積された炭素の再放出を予防する活動
温室効果ガス排出の移転を抑制する活動
出典:概説REDD+ 国際航業株式会社 2013年

更に翌年の第17回会議(COP17)では、セーフガードの「情報提供システムのガイダンス」が作成されました。REDD+実施国は、活動期間を通じてセーフガードに配慮し、措置の具体的な情報を定期的に提供することとされました。情報提供の具体的な内容については、現在も議論が進められています。

参考文献
国際航業株式会社(2013):『転換期を迎える環境ビジネス 概説REDD+』, pp.164-167*-**, アスキー・メディアワークス

(2017年02月03日 初稿)

English

REDD+ SAFEGUARDS

定義

REDD+を議論する中で、活動が先住民の生活や地域コミュニティの権利を脅したり、生態系の観点から環境へ負の影響を与えたりする可能性が指摘されました。例えば、土地や資源から得られる利益分配が不公平になることや、天然林を伐採した後に炭素量蓄積のより迅速な増強を目的とした植林を行うといったことです。そこで、社会・環境等に悪影響を及ぼすことを防ぐ為の予防措置や配慮事項としてセーフガードが定められました。