蓄電池

蓄電池は、現在様々な用途で利用されており、電気自動車の動力源としての活用及びモバイル端末やパソコンのバッテリーとしての利用等、私たちの生活に身近なものとなっています。

また東日本大震災後、原子力発電事故を契機として、戦後初の出力抑制が発令され計画停電や節電が必要となるなど、電力供給システムに不安が生じました。そのため、蓄電池を利用した新たなシステムが実施され始めています。
突発的な事故による停電の対策として蓄電池を利用することや、出力が不安定な再生可能エネルギーの電力を蓄電池の充放電により安定化させることに活用されています。また蓄電池により電力需要が少ない時間帯に充電し、電力使用のピーク時に放電させることで電力のピークシフト及びピークカットができ基本電力を下げることにつながります。
さらに、地域の公共施設や集合住宅などに蓄電池を導入することで地域全体の電力需給の安定化に向けた取り組みも進んでいます。

大きな役割を担う蓄電池には、これからの普及のため解決すべき課題が大きく3つ残っています。①コストの高さ、②繰り返し利用することによる充放電効率の経年劣化、③素材であるレアアースの確保等について「二次電池技術開発ロードマップ(平成25年)」では、課題解決の推進対象として取り上げられています。今後の低炭素社会の実現及びエネルギーセキュリティ向上のため、蓄電池のさらなる技術の向上が大きく期待されます。

参考文献
・経済産業省 平成24年7月「蓄電池戦略」
・NEDO(平成25年8月)「NEDO二次電池技術開発ロードマップ2013」

(2015年11月18日 初稿)

English

storage battery

定義

蓄電池は、電気エネルギーを化学エネルギーに変換し蓄え、必要に応じて電気エネルギーとして取り出し使用することができます。現在実用化されている蓄電池には主に鉛蓄電池、ニッケル蓄電池、リチウムイオン蓄電池、NAS蓄電池の4種類があります。パソコンや携帯電話等の身近なモバイル端末から電気自動車を始め、施設の非常用電源や消費電力のピークシフト等、近年用途が広がってきています。