公営企業会計

地方公共団体は、一般的な行政活動のほか、水の供給や公共輸送の確保、医療の提供、下水の処理など地域住民の生活や地域の発展に不可欠なサービスを提供する様々な事業活動を行っています。こうした事業を行うために地方公共団体が経営する企業活動を総称して「地方公営企業(公営企業)」と呼びます。これらの事業の実態に即した法規範として制定されたのが、「地方公営企業法」であり、この地方公営企業法で採用されている会計方式が公営企業会計です。

公営企業会計では、今まで行われてきた会計方式である官公庁会計方式(現金主義会計、単式簿記)ではなく、民間企業の会計基準に近い形で財務諸表などを作成する独自の会計方式を取り、発生主義会計、複式簿記を採用しています。これらを採用することで、以下のメリットが考えられます。

① 損益情報・ストック情報の把握による適切な経営戦略の策定
② 企業間での経営状況の比較
③ 経営の自由度向上による経営の効率化とサービス向上
④ 住民や議会によるガバナンスの向上
⑤ 企業会計に精通し経営マインドを持った人材の育成

公営企業会計の適用推進に係る支援措置として、平成27年度から平成31年度までの5年間(集中取組期間)において、現在、公営企業会計が適用されていない事業について、重点事業(下水道事業及び簡易水道事業)を中心に、その適用を要請しています。

参考文献
・[地方公営企業法の適用に関するマニュアル]
http://www.soumu.go.jp/main_content/000336951.pdf
・[地方公営企業の概要より]
http://www.soumu.go.jp/main_content/000178063.pdf
・[公営企業会計の適用の推進について(概要)]
http://www.soumu.go.jp/main_content/000337011.pdf

(2015年11月18日 初稿)

English

Public enterprises accounting

定義

地方公共団体が設置し、料金収入により経営を維持する企業を公営企業といい、企業の会計方式のうち、官公庁会計方式(現金主義会計、単式簿記)ではなく、民間企業の会計基準に近い形で財務諸表などを作成する独自の会計方式が公営企業会計であり、発生主義会計、複式簿記を採用しています。