機雷、爆弾等の危険物は、現在も陸上、水底問わず各地に残存し、内部の火薬は今日でも十分な爆発力を持続しています。そのため、工事等で地盤を掘削し衝撃を与える場合には、機雷・爆弾等の残存危険物の存在が予想される場所において、事前に調査し除去することが義務付けられています。
調査は、磁気探査機(写真1 参照)を用いて、範囲内に埋没している磁性体の磁気量を測定し、その磁性体が機雷等に相当する磁気量以上の場合に、磁気異常点として検出します。
陸上の探査には、人力で磁気探査機を持って歩いて測定する方法と、地盤を掘削した探査孔に磁気探知機を挿入して行う方法があります。一方、水底の探査は、専用の磁気探査船を用いて行います。磁気探査船には、磁気探査機を複数固定した架台を吊り下げた台船を曳舟で航行する「えい航方式」(写真2参照)、自身で航行する小型船舶から架台を吊り下げる「自航方式」等があります。
また、潜水探査は、水底及び水底下に埋没する磁気異常点について、潜水士が危険物の有無を直接確認する作業です。その調査は、磁気探査機あるいは内部バッテリーで作動するポータブル型の簡易探査機を、潜水士が持って行います。もし、異常点が地中に埋まっている場合は、ジェットポンプ等を用い掘削したうえで危険物かどうかを確認します。なお、発見された危険物は、最終的に自衛隊が爆発処理を行います。
参考文献
・港湾調査指針(改訂版)社団法人日本港湾協会 運輸省港湾局監修
(2015年11月18日 初稿)