ごみ量ごみ性状調査は、現在のごみ処理の状況をよく理解し今後の対策を検討するために必要な、ごみ量とごみ性状のデータを取得するための調査です。ごみ量のデータとは、ごみ発生量、排出量、家庭での堆肥化のような自家処理量、各種の処理施設での処理量などです。一方、ごみ性状のデータとは、どのような種類のごみがどのくらいの割合で含まれているかというごみの組成(紙、生ごみ、繊維、草木・木竹、プラスチック、ゴム・革、金属、ビン・ガラス、土石・陶磁器、その他など)、比重、水分の割合を示す含水率などです。
ごみ量は、ごみ収集車両を計量して把握するのが一般的です。また、ごみの性状は、ごみ収集車両からごみのサンプルを抜き取って調べます。しかし、開発途上国では収集されないごみも少なくないため、ごみ収集車両を計量するだけではごみの量を把握するには不十分です。このため、一般家庭や商店などから直接ごみのサンプルを採って平均的な発生量を求めてから、人口、商店の数などを考慮して地域全体の総発生量を推計します。また、これらのごみサンプルを使って、ごみの性状を調べます。
日本では、高度成長期にごみが爆発的に増加し、ごみに占める紙やプラスチックの割合が急増しました。その後、再利用やリサイクルのシステムが発達し、ごみ量の増加は抑えられています。そして、かつて日本が経験したようなごみ量の増加、ごみの組成の変化が開発途上国で顕著になっています。このように、ごみの量やごみの性状は人口や経済規模、地域性によって変化するため、処理施設の運転を最適化したり、将来のごみ処理方法を検討したりするには、定期的にごみ量ごみ性状調査を実施して正しい状況を把握することが大切です。
(2019年05月15日 初稿)
(2015年01月19日 初稿)