土質試験

土質試験によって調べるのは、土の物理的性質・化学的性質・力学的性質です。土質試験の項目は非常に多いため、目的によって必要な試験を選定し実施します。試験項目は、①粒度や液性限界など土の分類・判別のための試験、②含水量、透水性など土の状態に関する試験、③圧縮やせん断などに対する土の力学的強度を求める試験、④圧密や締固めなど土の変形に関する試験などからなります。

例えば盛土で道路をつくる場合、まずは適切な盛土材料を選定することが重要です。盛土材料は基本的に現地発生土ですので、その特性は千差万別な上、気象条件や施工時期によって物性値も変化します。そのため、盛土自体が圧縮したり盛土法面が不安定化することなく、さらには周辺環境に影響のない材料であることを、土質試験結果等により確認します。また盛土荷重に対して基礎地盤が安定していることも重要です。特に軟弱地盤上に盛土する場合は、上記①や②の試験等により地盤の分類・判別・状態を確認し、液状化等を起こしうる地盤でないかどうかを検討します。また上記③や④の試験等により、基礎地盤の安定性検討や沈下検討も行います。

土質試験を含む各種調査を行うことで、ローム(火山灰起源の赤褐色をした粘土質の土壌)や、まさ土(花崗岩質の岩石が風化して砂状になったもの)といった、比較的災害に弱い土質が分布するところを知ることができます。住宅建設や道路などのインフラ整備にあたり、このような調査をきちんと行うことで、豪雨や地震等による被害を回避・軽減・最小化することができます。

(2014年12月04日 初稿)

English

Soil test

定義

土の分類や諸性質を知るために、現地でサンプリングされた土試料を対象に、室内で行われる各種試験の総称です。土質調査(土に関する工学的性質を調べる調査全般)のうち、現地で地盤内の土に対して直接行う試験(原位置試験)と区別するのが慣例です。