ごみエネルギー利用とは、ごみからエネルギーを得ることです。本来不要であるごみからエネルギーを得るので、エネルギー資源の節約になり、新エネルギーの一つとして注目を集めています。日本も含めて国際的にはWaste to Energyと表現されます。
ごみやエネルギーには種類が色々あるため、ごみエネルギー利用は様々な形態を指します。例えば、ごみの種類としては、紙やプラスチックなどの一般ごみ、下水処理過程で発生する汚泥、バイオマスと言われる木質系の廃材、生ごみなどです。一方で取り出すエネルギーの代表的なものは電気エネルギーですが、お湯を沸かしたり、暖を取ったりするための熱エネルギーとして利用することもあります。またごみを分解して可燃性ガスを発生させて取り出すこともあります。可燃性ガスは熱や電気などに利用されます。
しかし実際には、ごみエネルギー利用は多くの場合、「ごみ焼却発電」のことを指します。ごみを燃やして発生する熱から蒸気を生成し、その蒸気でタービンを回して発電を行います。日本では全国で稼働する約1,000の焼却施設のうち、発電設備を有する施設は約300箇所です。これらの施設の発電能力を全て併せると原発2基分の能力におおよそ相当します。日本ではごみ焼却はごみ処理のためという考え方が依然として強いですが、海外とりわけ欧州ではエネルギー生産手段として強く認識されています。事実、施設あたりの平均発電能力は日本に比べて約5倍となっています。
(2016年11月02日 初稿)