案内標識配置計画とは、一般的には道路案内標識の配置にかかる計画を示します。ここでは、広義に人が様々な場面で目的地までに移動するときに利用する案内・誘導などのサイン計画について解説します。
人は知らない土地で移動する際には、様々なものを目印にします。人が移動するときによりどころとなる情報源(案内板内の文字や矢印、形状、色彩、光、音、香、触(凹凸)など)がサインです。サイン計画では、わかりやすく案内・誘導するために一定の法則のもとにこれら情報源を配置する必要があります。
サイン計画は一般的に、以下の組み合わせで構成されています。
・案内:地図などを併用して、周辺の状況も含めて示すもの
・誘導:文字(目的地の名称など)と矢印(移動方向)を用いて、目的地へ誘導するもの
・位置:目的地の名称や道路の名称(通り名等)など
東京オリンピック(1964年)の頃から、空港、駅、バス乗り場などの交通機関や、トイレ、案内所、観光拠点や銀行といった施設の位置や方向を示す場合に、ピクトグラム(絵文字)を用いて直感的に視覚でわかるようにしています。また、音声装置付信号機(ピヨピヨ・カッコー、通りゃんせ等)といった直感的に聴覚でわかるものがあります。
わが国では観光立国を目指して、外国人やその土地に詳しくない人、あるいは障がい者でも安心して案内・誘導できるような整備を進めています。サイン計画では、わかりやすさのための統一性、外国人に対応するための外国語標記・ローマ字標記の手法、観光地としての景観、あるいは障がい者の使いやすい表示位置(高さ)や文字サイズ、色彩などにも充分な配慮が必要です。また、近年ではスマートフォンやインターネットなどのITを用いた案内・誘導も脚光を浴び、実用化が進められています。
(2019年05月08日 更新)
(2015年11月18日 初稿)