一般的に「人口」とは、ある場所に住んでいる人の数量を表しますが、「流動人口」とは、そこに住んでいる人の数量ではなく、何らかの理由で一時的にその場所に在住、滞在している人口です。例えば通学、通勤、旅行、買い物などの理由により、一時的にその場所に訪れ、滞在をしている人口です。
人口という指標は、様々な行政上の計画において活用するため、国勢調査や、住民基本台帳といった公的な調査、届出を元に作成されています。これらの人口は、その調査時において、その場所に住んでいる人口を把握できます。しかし、「何時時点において、その場所に存在する人口」といった、時間軸で変化する人口は把握することができません。調査時から変化のない静的な人口と言えます。流動人口は、時間ごとに変化する人口を把握することができ、上記の静的な人口と区別され、活用されています。
流動人口は、人の移動、滞在履歴を表すデータを基に算出します。例えば電車やバスの乗降履歴や、買い物による購買履歴、スマートフォンのGPSから取得した位置データなどです。これらのデータから行政区や観光地等の流動人口を算出することができます。流動人口は、月次別、曜日別、時間帯別などに目的に応じて整備され、ビジネス、教育、研究などの分野で活用が進んでいます。
(2015年11月18日 初稿)