平成27年現在、全国には110の活火山があり、火山活動が活発で火山噴火の危険性が高い火山も多く存在します。一方、火山噴火が「いつ」「どこで」「どのような規模」で起こるかを予測することは非常に困難です。そのように予測することが困難な火山噴火について、事前に検討した条件や火山噴火後の状況等を踏まえ、より精度の高い氾濫シミュレーション計算を行い、影響範囲を予測するための仕組みが火山噴火リアルタイムハザードマップです。
火山噴火リアルタイムハザードマップには、プレアナリシス型とリアルタイムアナリシス型の2通りがあります。プレアナリシス型は、予め様々な計算ケースを想定して、事前に計算を行っておき、火山噴火後に最も近いケースを予測として利用するものです。リアルタイムアナリシス型は、火山噴火後の状況を踏まえ、計算を行う範囲、規模等を設定し、新たに計算を行い、影響範囲の予測を行うものです。火山噴火後、リアルタイムに計算を行うという点では、リアルタイムアナリシス型が本来の意味での火山噴火リアルタイムハザードマップと言えるのかもしれません。
リアルタイムアナリシス型の火山噴火リアルタイムハザードマップは、プレアナリシス型では対応できない大規模な火山噴火により地形が大きく変わった場合の影響範囲の予測や火砕流や溶岩流等を堰止めるための緊急的な対策施設の効果を検証するような場面での利用が期待されています。
(2019年05月08日 更新)
(2015年11月18日 初稿)