スキャナーなどで取り込まれた紙地図は、例えばJPEGやTIFFなどの画像形式で保存されますが、地理座標を持っていません。地理座標を持たない画像情報に対して、地理座標を与える作業や機能のことをジオリファレンスと言います。ジオリファレンスするラスターデータをGISに取り込み、地理座標とラスターデータ上の位置とリンクするコントロールポイントを複数配置します。コントロールポイントを配置後に幾何補正することで正しい地理座標にラスターデータが配置されます。幾何補正した後は、GeoTIFFなどの地理座標を持つ画像形式として保存が可能になります。
ジオリファレンスによって、例えば、電子化されていない歴史的に重要な紙媒体の古地図をスキャンし、現代の地図と過去の地図を重ね合わせて見ることが可能になり、学術や研究などで利用されています。また、最近では住宅や土地を購入する前に、その土地の過去の紙地図をジオリファレンスし、現在の地図と重ねて見ることで、過去の地盤に問題が無いか、周辺に汚染などがないかなど、防災情報としても利用されています。
(2019年05月15日 更新)
(2016年10月26日 初稿)