家庭やオフィス、商店などで発生したごみは、市町村やごみ収集業者などによって分別された種類ごとにさまざまな処理が行われます。この処理の中で、再利用できるものを「どのように」「どのくらい」回収しているのか、そして最終的に埋め立てられるものが「どのくらい」あるのかなどを、ごみ処理の段階ごとに示すのが、ごみフロー分析です。
ある市町村において家庭から排出されたごみを例に流れを追ってみましょう。家庭から出るごみは、「燃えるごみ」、「容器包装プラスチック」、「びん、缶」など市町村が指定した種類に分けて排出されます。「燃えるごみ」はごみ収集車によって焼却場に運搬され、焼却後に燃え残った灰は最終処分場に埋め立てられます。また、「容器包装プラスチックごみ」は、プラスチックの種類ごとに選別・圧縮・梱包などを行った後、再生工場へ運ばれます。このようなごみの流れをたどることにより各処理段階での量を把握し、それをひとつの図に取りまとめると、ごみ処理の状況を一目で理解することができます。
人口規模、経済の状況、人々の生活レベルや習慣などを背景に、地域によってごみ処理の状況は異なりますが、ごみフロー分析を行うことで、その違いをより明確に示すことができます。また、現在のごみ処理状況を把握するだけではなく、人口の増加や生活の質の変化、処理施設の拡張や新しい処理方法の導入などを踏まえた将来予測にも活用できます。ごみフロー分析による状況把握は、ごみの適正処理、資源の有効利用、埋め立て処分量の削減など、ごみに関する問題に取り組む上での重要なプロセスと言えます。
(2019年05月08日 更新)
(2014年12月25日 初稿)