激甚被災地とは、地震や風雨などの災害により著しい被害を受け、地域の復旧・復興や住民の生活再建のために特別の財政的支援を必要とする地域です。大規模災害では、人口や建物への被害を短時間に把握することが難しく、また通信の断絶や災害対応者自身の被災といった事態も考えられます。災害が起こる前にハザードマップや避難訓練を通して備えを進めることも大切ですが、発災後には、早期に被害を予測する技術が重要となります。
大規模災害の被害予測では、人工衛星や飛行機で撮影された画像により被害状況を直接的に可視化する方法があります。しかし、悪天候などにより発災後すぐに撮影できない場合があり、観測データや数値解析によって災害現象を把握し、その災害による被害を予測することも重要です。例えば地震災害に関しては地震計、気象災害に関してはアメダスや気象レーダーによってリアルタイムの観測データが得られます。津波災害では、沿岸に津波が到達する前に浸水範囲を予測する数値解析も行われています。
効果的な災害対応や復旧・復興のためには、災害がどこでどのように発生し、被害やその対応がどのような状況となっているかを把握できなければなりません。今後は、GISを用いて、被害状況の画像、観測データや数値解析結果、さらには復旧・復興計画の進捗に関する情報を関係者全員が理解・共有できる視覚的な手法が普及していくと考えられます。
(2019年05月10日 更新)
(2015年11月18日 初稿)