我が国には、城、神社、仏閣等の歴史上価値の高い建造物やその周辺には町家、武家屋敷などが残っており、そこでは歴史や伝統を反映した人々の生活が営まれ、地域固有の風情、情緒を醸し出しています。このようなことから、歴史まちづくり法では、「地域におけるその固有の歴史及び伝統を反映した人々の活動と、その活動が行われる歴史上価値の高い建造物及びその周辺の市街地とが一体となって形成してきた良好な市街地の環境」を歴史的風致と定義しています。
この歴史的風致という考え方は、ハードとしての建造物と、ソフトとしての人々の活動を合わせた概念であり、歴史まちづくり法は、歴史的風致を維持するのみならず、積極的に向上させ、後世に継承を図ることを目的としています。
市町村は、国が策定する基本方針に基づき、歴史的風致維持向上計画を策定し、国の認定を受けると、歴史的風致形成建造物の買取、移設、修理・復原が補助対象となり、国からの交付金の交付率の上限40%が45%に嵩上げされるなどの支援措置があります。
平成21年1月に石川県金沢市、岐阜県高山市、滋賀県彦根市、山口県萩市、三重県亀山市で初めて歴史的風致維持向上計画が認定され、平成28年3月末時点では53市町村となりました。
参考文献
地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律
歴史まちづくり法パンフレット 国土交通省
認定歴史的風致維持向上計画に対する主な支援措置
(2016年11月16日 初稿)