海底資源音波探査

海洋資源とは、深海底および海底下の地層内に存在する石油・天然ガス、メタンハイドレート等のエネルギー資源と、銅やレアメタル等を含んだ鉱物資源の総称です。日本近海では、石油・天然ガスの他に、メタンハイドレート、熱水鉱床といった海洋資源の商業化に向けた動きが近年活発になっています。海洋資源の商業化には、資源の発見、資源量の評価、資源採取の採算性といった3つのハードルを自然環境の厳しい条件下でクリアする必要があります。海底資源音波探査技術は、資源の発見という最初のハードルを越えるための音を使った探査技術です。

音を使った探査技術の代表格がマルチビーム測深技術です。この技術は、調査船やAUV(自律型無人潜水機)から音波を海底面に照射し、海底面からの反射時間を計測して海底地形を詳細に知る技術です。この技術により、海底火山や海底カルデラ等の鉱物資源が存在しそうな特徴的な地形を把握できます。同様の探査技術として、マルチビーム測深技術より低い周波数の音波を海底に照射することによって、海底面下にまで音波を伝播させ海底の地下構造(地層)を探査する技術もあります。

音波探査技術は、現在の海底火山活動や過去の海底火山活動域を把握し、海洋資源が存在できる条件のそろった地層を抽出することで海洋資源が分布しそうなエリアを特定することを可能とし、海洋資源の商業化の基盤情報づくりに役立っています。

(2015年01月05日 初稿)

English

Seabed-resources acousticinvestigation

定義

この技術は、調査船やAUV(自律型無人潜水機)に特殊な音波ソナーを取り付け、地形・地質を調査し海洋資源が分布している可能性の高い場所を特定する技術のことです。