河川維持管理DBは、河川管理者が日々行う河川巡視や河川構造物等の点検データや、維持管理に必要な構造物台帳、工事履歴等のデータなど、河川の維持管理に関わるデータを一元化し、蓄積するためのDBです。多様な形式で保存・管理されていた日常業務に係る様々なデータや、技術者の知識をDB化することで、簡易に検索・確認することができ、情報収集の効率化と適切な管理が可能となります。また機能を付与することで、蓄積したデータを活用し、分析・評価を行うなど維持管理分野での高度活用も可能です。
単体のPCでAccessなどを用いて河川構造物の台帳等のデータを管理する簡単なDBから、デジタルの地図上に動植物の生息域や工事履歴等の様々な情報を重ねて管理するGIS、複数のPCがインターネットを介してデータを管理できるWebDB、環境のDBと河道情報DB等の複数のDB同士が関係を持っているリレーショナルDBなど様々なものがあります。
特に、国土交通省が構築した全国統一形式の河川維持管理DBシステムをRMDIS(River Management Data Intelligent System)と呼び、現在、全国の河川事務所で運用されています。RMDISでは、PCでデータを管理する以外に、Androidタブレット端末が導入されています。現地でタブレット端末のGPSを用いて位置情報を把握しながら、DB内の過去の記録や関連情報を確認しつつ巡視を行うことができるので、より効率・効果の高い巡視を行うことができ、取得データをもとに簡易に日報・記録簿等を作成することができます。また、蓄積されたデータを活用して分析・評価を行うことができる業務支援型システムとなっています。
参考文献
・平成26年度 国土交通省 河川維持管理DB担当者会議 会議資料
(2016年09月05日 初稿)