災害被害調査

災害被害調査の目的は、防災の方法や災害からの復興・対策工事などを計画するための資料にすることや、その被害状況から被害額を計算して保険や公的な支援認定のための資料にすること、次ぎの災害への予算的な備えにすること、などです。

災害から発生する被害は、直接被害と間接被害に分けることができます。災害で失われる人命やけが、家屋・建物・事業所や農林作物への被害、道路、交通・電力・水道等インフラ施設への公共施設へ被害など、災害から直接受ける被害を直接被害とよびます。また災害が起こり、被災地の道路、インフラの被害が出ることによって、復旧するまでの間におこる、市民生活、産業活動、社会活動への影響、滞りを生産額や国内総生産の低下などによって表される経済的な被害などが間接被害になります。

主に直接被害に対して災害被害調査は行われますが、対策などの計画資料とするためには、その被害のみならず、災害となる自然現象(地震、津波、土砂災害、洪水など)がどのように発生し、経過したか、を調査することが必要です。その結果どのような被害が発生し、またその被害範囲がどこまで及んだかを同時に調べますそれらをすべて含めて災害調査ということができます。

災害調査や災害被害調査でも空間情報技術は有効に使われます。災害の被害のあった建物、住居、公共施設等の点、道路やライフライン、避難の経路等を線、災害事象の広がりや被害の範囲を面として統合的に表し、災害の構造や対策のアイデアに役立てられています。

参考文献
・河川砂防技術基準、調査編国土交通省 (2014)
内閣府:被害認定に関するQ&A
農林水産省:作物統計、被害調査

(2015年11月10日 初稿)

English

Disaster Damage Investigation

定義

災害被害調査とは、地震、津波、土砂災害、洪水などの自然災害によって引き起こされる被害を調査することです。