給水計画

海外、特に開発途上国では水道施設の整備が遅れており、直接、河川や湖沼から水汲みをしているのが現状です。それでも必要な水量が確保できず、また健康に悪影響を及ぼす非衛生な水質であることが多いため、女性や児童は、遠方への水汲みに毎日数時間を費やし、社会参加や就学にも支障をきたしています。

このような状況を改善するためには、地域に見合った給水計画を策定し、水道施設を建設することが必要となります。給水計画は、水源(地下水、河川、湖沼等)を確保した後、対象となる地域の人口(利用者)、給水エリア、地形、現状の水利用状況、必要な水量等の情報を総合的に判断して策定します。人口が少ない地域の場合は、井戸を掘り、手汲み式ポンプで給水する水道施設を計画することが多いです。一方、人口が多い地域の場合には、利用者や必要な水量が多く、手汲み式ポンプでは対応できないため、水をタンクに貯め、水道管を通して公共水栓で給水する水道施設を計画することが多いです。その際、この水道施設が住民達自身で運転できる技術レベルであるか、運転経費や修理費等を住民が集められるか等も検討し、給水計画に反映させます。

このように、対象地域の状況に合わせた給水計画を策定し、水道施設を建設することで、住民が長期間にわたり安心して水を利用できるようになるのです。

(2015年11月10日 初稿)

English

Water Suppy Plan

定義

地下水や表流水(河川、湖沼等)等の水源を確保し、手汲み式ポンプや公共水栓、タンク、水道管等を整備し、住民が長期間にわたり安全な水を利用できる給水システムを構築するための計画です。