トンネル点検

トンネルには、管理者によって、高速道路・一般国道・県道・市町村道などの「道路トンネル」や新幹線や在来線の「鉄道トンネル」、用水やダムなどの「水路トンネル」などがあります。このうち、私たちが日頃使っている「道路」の「トンネル点検」 (Tunnel Inspection)は、日常的に道路パトロールカーによる点検を実施し、一定の期間ごとに「近接目視点検」という高所作業車を用いてトンネルのコンクリート表面に近づいて、その状態を点検します。このとき、照明などの取付金具やボルトのゆるみなども一緒に点検します。トンネルには付属施設といった照明や換気設備、非常用設備などがありますが、これらも一定の期間ごとに点検しています。このほかにも、地震などの自然災害やトンネル内で火災があったときなどには、臨時的に同様の点検を実施しています。

すべての構造物は、新しく建設された直後から年々老朽化していき、いずれ更新や廃棄といった有限の寿命をもつもので、人間の一生と同じような世話や配慮が必要です。皆さんが定期的に受けている健康診断と、トンネル点検はどちらもとても重要なところが似ています。例えば、 虫歯が見つかってすぐ治療すれば、歯は元どおりにはなりませんが、歯の機能は回復して何でも食べられるようになり、歯の寿命も延びるはずです。放置してしまうと、とても治療に時間がかかって、ひどいときは欠けてしまうこともあるでしょう。トンネルも、早い時期に悪いところを見つけて、適切な措置(治療)をすることで、維持管理費(治療費)を削減して長く寿命を延ばすことが求められます。

定期点検で行っている「近接目視点検」は、高所作業車や点検台車が必要で、経験のある技術者による点検・診断をします。この点検の際、車両の通行を止めることは難しいので、交通規制を行い制約された短時間に実施しています。最近では、点検の効率性のため、高精度のセンサーを用いて交通規制をせず、走行車両から近接目視作業に代わる技術の開発が研究されています。

国交省HPより2014.10.22閲覧 トンネル点検状況

(2015年01月26日 初稿)

English

Tunnel Inspection

定義

適切なメンテナンスサイクル(点検、診断、措置、記録)を定められた期間で実施し、異常や変状を早期に発見することで、必要な措置を講じ、安全に長期間トンネルの機能を保持させる目的で実施します。