タイムアンドモーション調査は、収集作業の運営面あるいは技術面の問題点を明らかにし、作業効率の改善策を検討するための調査です。
ごみの収集事業がまだ十分行われていない開発途上国で、よく行われます。
調査では調査員が、収集作業員の行う出欠確認、作業指示、車両点検、燃料補給、収集エリアへの移動、ごみの積み込み、処理施設や処分場への移動、ごみ計量、ごみの積み下ろし、作業報告、車両清掃という1日のすべての作業を確認し、移動時間、道路渋滞状況、ごみ排出状況、ごみ収集方法、ごみ収集時間など作業状況や作業環境を詳細に記録します。
調査の結果、例えば、住民がごみ排出ルールを守っていない、収集作業員の勤務状況が悪い、収集作業員に無駄な動きがある、収集ルートが遠回りになっている、収集車両が頻繁に故障する、道路の混雑が激しい、などの問題が明らかになります。
これらの問題に対し、ごみ排出ルールの周知、収集作業員への適切な指導、車両点検体制の強化などの対策を立てることで、これまで収集に要していた時間を短縮でき、収集車輌の1日当たりの収集トリップ数を増やせるようになります。
日本では当たり前のように行われているごみの収集ですが、開発途上国では収集サービスがいきわたっていないのが実情です。
ごみ処理事業全体にかかる費用の中でごみ収集費は大きな割合を占めており、なるべく費用を抑え、限られた収集車や収集作業員で収集サービスを広げていく鍵は、効率的な収集システムの実現です。
これを考える有効なヒントを、タイムアンドモーション調査から得ることができます。
(2014年12月25日 初稿)