治水計画においては、河川整備の目標とする洪水の規模(何年に1度程度発生する洪水か:計画規模)を、流域面積、氾濫区域の人口・資産、他河川とのバランスなどにより決定し、流出解析によって計画規模の降雨による流量(目標流量)を設定します。さらに、目標流量と河道の状況、河道周辺の土地利用や地形勾配を考慮して計画高水位(HWL)を定めます。
河道計画では、まず河川改修により洪水から守るべき対象区域や河川改修の効果を考慮して、計画区間を設定します。そして、計画区間において河川改修後の断面に目標流量が流れたときに、水位が計画高水位以下になるように、河川の縦断・横断形状(河道の幅、水深、河床の勾配、護岸や堤防の高さ)を設定します(計画縦断、計画横断)。水位の確認は、計画横断形状、勾配(計画縦断)、粗度係数(河川水の流れやすさの指標)と流量を用いて、水理計算によって行います。
河道計画にしたがって、河道設計を行います。河川改修の方法としては、河床を掘る、河道幅を広げる、堤防を築くなどの方法があります。河道設計では、洪水を防ぐ施設(護岸や堤防)の形、大きさ、材質や、河床掘削の量などを、より具体的に決定します。
河道計画・設計の際には、河川の流れ方の特性(流水のぶつかる場所や掘れやすい場所など)や自然環境への配慮(植生の保存や川の流れ方の多様性の維持など)が必要です。
(2015年11月18日 初稿)