自転車利用促進計画

我が国では、モータリゼーションの進展により自転車と自動車を分離してきました(歩道上の自転車通行可能)が、その一方、自転車と歩行者の事故も増加しています。このような中、国土交通省及び警察庁では、「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を策定し、「自転車は車両」という考えを基本として、自転車通行空間の整備を進めています。同時に、利用促進のソフト施策として、サイクリングマップの利用やレンタサイクル・コミュニティサイクルをすすめるものです。

通行空間の整備では、自転車利用の多い路線に対してネットワークを計画し、「自転車道(物理的な自転車走行箇所の分離)」「自転車専用通行帯(車道部のブルーレーン)」等を設置します。レンタサイクルや自転車マップでは、特に観光地において距離の短い施設間移動や、車では見落とされる観光スポットを周遊させるための有効手段として利用されます。また、コミュニティサイクルとは、パリやブリュッセル(日本では富山市)などの都市で実施されている乗捨て型のレンタサイクルであり、都市内の近距離移動には有効な交通手段です。

道路交通法では、普通自転車は例外的に『道路標識により歩道通行が認められている場合』は徐行により通行しても良いとなっており、あくまでも車道通行です。また、自転車事故に関しては無灯火自転車が歩行者と正面衝突し歩行者の重傷により9,500万円の損害賠償が生じた例も有ります(平成25年神戸地裁)。なおこのような中、各国で自転車施策への取組も早くから行われ、安全・快適な自転車利活用をテーマに、Velo-city(世界自転車会議)が実施されるなど国内外で研究や取組みが進められています。

velocity2009(ブリュッセル)で発表のポスター

奈良県の例(国際航業実績)電動アシスト付き自転車を利用(太陽光パネルで充電)

パリのVelib(コミュニティサイクル)

(2014年12月04日 初稿)

English

Bicycles promotion plan、Development of bicycle use environment

定義

自転車の利用環境整備を「自転車通行空間の整備」「放置自転車対策・駐輪場計画」「自転車利用教育」「利用促進(サイクリングマップ作成、レンタサイクル・コミュニティサイクル)」「サイクルイベント」等により総合的に計画します。