降雨観測

降雨観測には、主に直接的な方法として地上観測、間接的な方法としてレーダー観測、衛星観測の3通りがある。地上雨量は転倒マス式雨量計が主に使用されており、冬期に凍結の影響がある観測地点ではヒーターが設置されている。レーダー観測は、Cバンド帯のレーダー観測網が日本国内に配備されており、面的に降水量を観測している。近年、Cバンド帯のものより高頻度・高解像度で観測できるXバンド帯のレーダー観測が進められており、降雨のレーダー観測が高精度化している。衛星観測は、宇宙から広範囲の降雨観測をおこない、日々の天気予報や地球規模の気候変動のメカニズム解明に活用されている。

降雨観測により得られたデータは、適切に品質確保され、蓄積されていくことで重要性が高まる。そのため、観測所の周辺環境の整備やレーダー観測のパラメータの補正など日々のメンテナンスが必要である。

台風や梅雨前線による降雨など災害をもたらすような降雨が発生した場合には、降雨観測の結果が自治体の防災担当者の意思決定の情報として必要なだけではなく、住民が各自で状況を判断するために活用される。土砂災害や洪水の被害を軽減させるためにも、避難準備情報や避難勧告、避難指示、道路規制などの判断のもととなる降雨観測を高品質で継続的に続けることが重要である。

(2019年05月15日 更新)
(2015年11月18日 初稿)

English

Rain observation

定義

降雨観測とは、直接的または間接的に降水量を測り、調べることです。