「福祉のまちづくり」は、障がいを持つ人々の社会参加を促進する活動が契機となり、国による制度整備、地方自治体による整備要綱の策定や条例化が進みました。当初、建築や都市交通におけるバリアフリー化を目指し、建築物に対してはハートビル法、交通分野に対しては交通バリアフリー法が制定されました。国土交通省は2005年に「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」を主旨としたユニバーサルデザイン政策大綱を策定し、建物と交通のバリアフリー環境整備を一体的に行うための法整備として、2006年に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(通称「バリアフリー新法」)が制定されました。
福祉のまちづくり整備は、交通機関におけるハード面での措置が多く行われています。道路整備においては、道路構造の配慮として歩道幅員2m以上、段差2cm程度、段差を解消した横断歩道の設置、勾配傾斜を縦断8%・横断4%以内にするなどがあげられます。また、舗装材料の配慮として平坦性やすべり、弾性など、情報環境の配慮として点字ブロック、標識・カラーデザイン、情報施設(音声・サイン)、音声信号機など、快適性に対しては路面照り返し防止施設、ガードレール・手摺り、ストリートファニチャー、融雪施設・除雪対策など、交通の配慮として低床バス対応バス停、歩きやすい踏み切りなど、そして動く歩道やエスカレーター、エレベーターなどの移動に対する配慮などがあります。
(2015年11月18日 初稿)