地域エネルギー事業では、地域資源の活用、例えば森林資源から得られた電気と熱を地域で消費すること、過不足が生じた場合には、系統電力との組合せによるエネルギーの確保、調整や、節電、デマンドレスポンスによる需要の調整が行なわれます。
従来のエネルギー事業の開発・推進には、「ヒト・モノ・カネ」といった経営資源が必要なことから、結果的に経営資源が豊富な大手企業が先行してきました。地域エネルギー事業は、地域経済の活性化、自立的なエネルギー利用など、地域コミュニティの醸成に関わる要素を有しています。電力システム改革によるエネルギー市場の変革が迫られている現在、地域経済の自立、地域の金融によって、エネルギー事業を地域主導で進めることが重要となっています。
需要家は、単に光熱費が低減するためだけのサービスだけを求めているのではなく、地域資源の活用、地[域への経済還元、地域における雇用創出が求められているといわれます。今後のエネルギー需給においては、省エネ活動をはじめとする需要側の工夫や、供給側においては限られた資源の効率利用によるエネルギー供給システムの確立が求められます。省エネ活動を促進するためには、需要家へのインセンティブを与えるなどの仕組みが有効です。また、エネルギー供給の資源は地域によって様々である一方で、コストメリットが得られにくい傾向にあることから、それらの活用を推進する施策を展開することも重要となります。
(2015年12月02日 初稿)