水道は、水源から取水された水を浄水場で飲料水として製造し、水道管を通して水質劣化させることなく需要者に供することが求められています。水道台帳は、主に、地中に埋設されており、かつ水道資産のうち7割を占めるともいわれる水道管とそれに付随する弁栓類を適切に管理するためのものです。
水道普及率は97%以上であり、ほぼ国民皆水道は達成されています。水道管は地域全体に網目状に張り巡らされていますが、布設された年代、場所により管の材質、管の太さなどが異なり、多種多様な水道管が地下に埋まっています。このような状況下で、水道工事をする際、どの位置に水道管が埋設されているのか、どのような材質の管が埋設されているのか、また、断水を伴う工事の場合、どの弁栓類を閉止すればよいのかなどを速やかに把握しなければなりません。このように必要な情報を適切に管理するのが水道台帳になります。
水道管は、水道創設期から高度経済成長期に急速に普及されたものが、老朽化してきており、そのまま放置すると突発的な破裂事故や断水事故を招き、市民への安定供給という水道の役割を果たせなくなることも考えられます。このような事態に至らないように、管路更新や維持管理を適切に行わなければなりません。水道事業の持続のためには、水道施設情報の確実な管理は欠かせません。つまり、水道台帳は、市民生活に欠かすことのできない水の継続供給のために大きな役割を担っています。昨今では、水道台帳のデジタル化が進み、更なる活用範囲の拡大が期待されています。
(2015年01月27日 初稿)