円錐図法

円錐図法には、画法幾何学的方法で経緯線を作図できる投射円錐図法と、そうでない非投射円錐図法があります。また、下図に示すように、地軸と円錐軸との関係から、地軸と円錐軸が一致する正軸円錐図法、地軸と円錐軸が直交する横軸円錐図法、そして地軸と円錐軸が斜交する斜軸円錐図法の3種類があります。正軸の場合、地球と接する(または交わる)部分は緯線が正確に投影されるので、これを標準緯線と呼んでいます。

代表的な円錐図法には、非投射円錐図法であるランベルト正角円錐図法があります。この図法は、18世紀のドイツの数学者ランベルト(Johann Heinrich Lambert)によって考案されました。正軸のランベルト正角円錐図法による地図では、極が扇形の頂点になり、経線は極から放射状の直線に、緯線は極を中心とする同心円で表現されます。この図法は正角図法として優秀なものであり、航空図や中緯度地域の地図等として世界でよく使われている図法の1つです。国土地理院が発行している「50万分1 地方図」、「100万分1 日本」、「300万分1 日本とその周辺」(斜軸)に採用されています。

円錐図法は、単円錐図法と多円錐図法に分類されることもあります。上述のランベルト正角円錐図法は1つの円錐面に投影する単円錐図法です。多円錐図法は一定の経度幅ごとに標準緯線が異なる複数の円錐に投影する手法で、できあがる地図は舟型が連なるような形になり、地球儀を作成する際に用いられます。

(2015年11月18日 初稿)

English

Conical projection

定義

円錐図法とは、地球をこれに接する、あるいはこれに交わる直円錐のなかに位置させ、地球上の各点をその円錐面に投影した後、円錐をある母線に沿って切り、それを展開して得られる平面を地図とする方法です。展開される地図が扇型になるという特徴があります。