地震情報などにより発表されている震度は、地震による地面の揺れの強さの程度を示したものです。地面の揺れの強さは、建物等の被害と密接な関連があります。そのため、震度は防災上重要な情報であり、自治体や防災関係機関の初動立ち上げの基準としても活用されています。また、自治体等の初動体制を立ち上げ時の重要な情報となっています。現在、震度は10階級に分類しています(図1)。
震度の観測は、全国に整備した計測震度計によって行われています。計測震度計によって観測された値を計測震度と呼んでいます。計測震度計は、平成17年9月2日現在で全国に4,378個所整備されています。
計測震度と震度階との対応を表1に示します。
計測震度計は、観測地点の加速度3成分(水平動2成分、上下動1成分)を観測して計測震度を算出します。
計測震度が導入されたのは、平成8年4月です。それ以前の震度は、気象庁が観測を始めた明治17年から気象庁の職員が体感や建物の被害状況によって決めていました。また、福井地震(昭和23年6月28日)以降に設置された震度7は、実際に被災した現地の調査結果から決めることになっていました。そのため、発表した震度は主観的な要素が高く、被害が発生するような大きな地震ほど、迅速な震度の発表は出来ませんでした。実際に平成7年1月17日に発生した兵庫県南部地震では、現地調査を行ってから震度7の地域が発表されました。
気象庁は、震度が防災対応の重要な情報として活用されるためには、客観的かつ迅速な情報提供が必要であるとして、平成8年4月に体感的な観測から計測震度計の導入および計測震度への移行を図りました。
震度階級 | 計測震度 | 震度階級 | 計測震度 |
---|---|---|---|
0 |
0.5未満 | 5弱 | 4.5以上5.0未満 |
1 | 0.5以上1.5未満 | 5強 |
5.0以上5.5未満 |
2 | 1.5以上2.5未満 | 6弱 | 5.5以上6.0未満 |
3 | 2.5以上3.5未満 | 6強 | 6.0以上6.5未満 |
4 | 3.5以上4.5未満 | 7 | 6.5以上 |
参考文献
気象庁:震度について,平成29年9月4日
気象庁:震度観測点の数,平成29年9月2日
(2018年01月26日 初稿)