道路構造物点検

道路構造物点検は、橋梁、トンネル、舗装、道路付属物、切土・盛土・擁壁,自然斜面などの道路の構造物が対象です。通常は決められた時期に定期的に点検し、地震や大雨などの災害時は臨時に点検します。多くの点検は「近接目視点検」で行われ、橋梁などの高いところは高所作業車を用い、切土などは斜面を直接歩いて点検します。これらは点検技術者が目視観察で行いますが、ハンマーで叩いたり、様々なサイズを測ったり、色々な道具や機械を使ってより詳しく点検することもあります。

すべての道路構造物は、建設直後から年々老朽化していく有限の寿命であり、人間の一生と同じように世話が必要です。道路構造物点検は、皆さんが定期的に受ける健康診断と良く似ています。例えば、虫歯が見つけてすぐ治療すれば、歯は元どおりにはなりませんが、歯の機能は回復して何でも食べられるようになり、歯の寿命も延びるはずです。例えば虫歯を放置すると治療に時間がかかり、虫歯がさらに悪化すると抜けてしまうこともあるでしょう。道路構造物も、早い時期に悪いところを見つけて適切な補強(治療)をすることで、維持管理費(治療費)を減らして寿命を延ばすことができるのです。

日本には一般国道・高速自動車国道・都道府県道・市町村道などがあり、その総延長は約120万kmなので地球を30周できる長さです。道路は道路構造物が集まって出来ていますから、道路構造物の長さも数も膨大です。最近では膨大な量の道路構造物を効率的に点検できるように、高精度の写真やレーザーなどのセンサーを車に取り付け、走りながら点検する技術も開発・研究が進められており、一部では既に利用されています。

(2015年01月19日 初稿)

English

The inspection of structure on the road

定義

道路構造物点検は、適切なメンテナンスサイクル(点検、診断、措置、記録)を定められた期間で実施し、異常や変状を早期に発見することで必要な措置を講じ、安全に長期間にわたって道路構造物(法面等)の機能保持を目的として実施する点検です。