公園施設長寿命化計画

我が国においては、高度経済成長期に集中投資した社会資本ストックの老朽化が急速に進行しており、厳しい財政事情の下で適切に維持管理を行っていくことが、施設管理者にとって重要な課題となっています。

都市公園事業においても、全国で約10万箇所のストックが存在(平成25年度末現在)していますが、それら供用中の都市公園のうち設置から30年以上経過したものが現時点で約3割を占めています。また、経過年数不明の古いものと合わせると、遊具の約6割が20年以上経過している状況にあります。

こうした中、国は公園施設の安全・安心の確保や維持管理や更新を適切に行うために、平成21年度より「都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業」及び「公園施設長寿命化計画策定事業費補助制度」を創設しました。

公園施設長寿命化計画の策定は主に予備調査、健全度調査、長寿命化のための基本方針の設定、長寿命化対策の検討、長寿命化対策による効果の算出を行い、更新を行う年度や費用が平準化されるよう調整を行った結果を、国土交通省に提出する「公園施設長寿命化計画調書」にまとめます。予備調査では公園の基礎的なデータを整理し、施設を「予防保全型管理を行う候補」と「事後保全型管理」に分類します。健全度調査では「予防保全型管理を行う候補」の施設に対して施設全体の状況を整理すると共に、より詳しく構造材や消耗材の劣化や損傷の状況を確認し、健全度調査票を作成します。

さらに、調査結果に基づいて、公園施設の計画的な維持管理の方針を明確化すると共に、施設ごとの管理方針、長寿命化対策の予定次期、内容などを最もコスト縮減が実施できるよう整理をします。このような計画を立てることで、都市公園のストックマネジメントを適確に行うためのツールとして、長期的な業務量の傾向や必要な予算額の想定などに活用することができます。

参考文献
国土交通省都市局公園緑地・景観課(平成24年4月):公園施設長寿命化計画策定指針(案)

(2017年9月22日 初稿)

English

Planning for extending the lifetime of park facilities

定義

公園施設長寿命化計画とは老朽化が進む公園施設に対して、適正な施設点検や維持管理等の予防保全管理を行い、各種施設の長寿命化対策及び修繕、改築、更新計画を立てることで、都市公園のストックマネジメントの適確化を図るための計画です。