海岸侵食対策

海岸侵食とは、波や流れの作用などにより生じる土砂の移動により海岸線が後退し、砂浜や陸地が消失する現象です(写真参照)。海岸侵食対策は、この海岸侵食の要因を診断・解明し、海岸の防護・環境・利用面を考慮した解決策を提案する技術です。

海岸侵食には様々な要因があり、その要因ごとに特徴と対策方法が違います。そのため、特徴を踏まえた計測や調査解析、予測評価等を行って発生要因を解明したうえで、最適な対策を提案する必要があります。また、地域住民や海岸を管理する行政が対策を十分理解・選択しやすいように分かりやすく情報提供し、事業化や合意形成のサポートをする必要があります。

具体的な海岸侵食対策としては、流出した砂を人工的に復元する養浜工や、波や流れの作用を抑制するために海岸線に直角方向に砂止堤を設置する突堤工、海岸線に平行に消波ブロック等を設置する離岸堤工、サンゴ礁の消波効果を参考にした人工リーフ工などがあります。侵食の発生要因に併せて、これらの手法を単独、あるいは組み合わせて、効果を確認しつつ対策を進めていきます。

我が国の海岸侵食対策は1960年代頃から行われていますが、経験的要素が大きい上、侵食対策そのものが沿岸域の土地利用や防災、自然環境や海岸利用などに多大な影響を与えるため、日々、産学連携で研究・開発を進めつつ、最新技術に基づいた計画立案を行う必要があります。

海岸侵食

(2019年07月24日 更新)
(2015年01月09日 初稿)

English

Coastal erosion measures

定義

海岸侵食対策とは、波や流れにより海岸(陸地)が削られ消失する現象を防ぐことです。