都市の緑は、ヒートアイランド現象の緩和、生きものの生息場所、災害時の避難場所、美しい景観づくり、運動や遊びの場といった多くの機能を持っており、快適で安全な生活のためには必要不可欠なものです。そこで、緑の保全と新たな緑づくりに関する施策を、よりよく推進するために緑の基本計画を策定します。 緑の基本計画では、地域の緑の現況や住民意見の調査を行い、緑に関する課題を整理し、将来の望ましい緑の目標を定め、それを実現するための具体的なプログラムを定めます。
例えば、屋敷林や農地が住宅やマンション建設によって減少している場合には、緑地を保全するための制度の活用や、地域で緑地を保全するための方法を検討します。緑が少ない地域では、住宅や施設を新たに建設する際に、できるだけ緑地を整備できるような方法を検討します。また、公園は整備されているがあまり利用されていない場合は、どうしたら地域で活用される公園となるかを検討します。このように、緑の基本計画では公園の他、街路樹、社寺林、樹林地、住宅の庭などあらゆる緑が対象となります。
都市における緑を守り育てるためには、緑の所有者だけではなく、地域住民の協力も必要になります。そのため、計画をつくる段階から住民や関係者と活発な意見交換を行い、みんなで緑を守り育てるという意識を持って計画を作成することが重要となっています。さらに、計画をつくるだけではなく計画を実現することが大切なため、住民や行政の役割分担、公園や緑地の整備や管理・運営のあり方も盛り込んでいきます。このように、緑の基本計画が地域の諸条件を十分に勘案し、官民連携で独自性・創意工夫を発揮して作成されることにより、個性ある地域づくりにも役立つものとなります。
(2015年01月14日 初稿)