空き家問題に対する全国的な関心の高まりを受け様々な改善策が検討される中、地域活性化の視点から空き家の活用促進が囁かれています。また、移住や交流に対するニーズの高まりを背景に、地方公共団体には住宅ストックを活用した定住促進が求められています。そのため、全国の地方公共団体において利活用可能な空き家の有効活用を目的とした取り組みが移住・定住施策と一体となって行われています。
全国の地方公共団体は、地域住民の方々からホームページや広報誌を通じて募集した空き家の情報を登録・管理するとともに、利用希望者に対してそれらの情報提供が可能となる仕組みを作り、運営を行っています。一部の地方公共団体においてはNPOが主体となり運営を行っているものも見られますが、民間の不動産会社とは異なり自治体職員の手による運営が行われているため、移住を検討中の利用者は自治体職員の豊富な知識や生活情報の提供を受けることで、見知らぬ土地に対する不安要素を払拭できるほか、行政による営利を目的としない運営体制に対する安心感を得ることが可能です。加えて、空き家バンクは空家等の推進に関する特別措置法の条文中における「空家等の利活用を促進する」という目的達成のため地方公共団体が主体で取り組む制度でもあります。なお、国では各自治体における空き家バンクの情報を一元化した全国版空き地・空き家バンクのプラットフォーム構築が進められています。
(2017年9月29日 初稿)