火山ハザードマップ

日本には110の活火山があります。世界の活火山の数は、約1,500とされているので、日本はそのうちの約1割を有する火山国といえます。多くの各火山を抱える日本では、古くから火山災害により大きな被害や社会的な影響を受けてきました。

近年では、雲仙岳(1990年~1995年)や御嶽山(2014年~)の噴火により多くの人命が犠牲となりました。火山災害の影響範囲を図示し、住民の防災意識向上や避難路・避難場所や立入規制など避難計画策定のベースとして活用されることで、火山災害の軽減を図ることを目的に火山ハザードマップは作成されています。

火山ハザードマップは、火山災害の要因となる火砕流、溶岩流、火山泥流、噴石、火山灰等の影響範囲をわかりやすく示したものですが、避難場所や避難路、防災情報の解説、緊急時の連絡先などの情報を加えたものを火山防災マップといいます。一般に、火山ハザードマップと火山防災マップは同義で扱われています。

住民への配布や公表されているものは、火山防災マップがほとんどです。

火山ハザードマップの作成のためには、各火山の特徴を理解して発生する可能性の高い事象や噴火規模を設定する必要があります。そのためには、噴火の履歴を文献等で調査し、噴出物を現地で調査・確認することが重要になります。

これらの調査結果は、火山シミュレーションで影響範囲の予測を行う際に非常に重要なデータになります。

(2016年09月05日 初稿)

English

Volcanic Hazard Map

定義

火山が噴火すると火砕流や溶岩流、火山泥流、噴石、火山灰などの各種火山現象が発生します。各火山で発生する可能性の高い火山現象やその規模を想定し、過去の災害履歴や火山シミュレーションなどの手法により、火山災害の影響がおよぶ範囲を予測・図示したものです。