道路の整備が進むと、道路利用者にとっては、走行速度の向上や交通渋滞の緩和といった効果が生まれますが、これは直接効果と呼ばれます。
また、沿道環境の改善や経済活動の活性化などの波及効果が同時に期待され、これは間接効果と呼ばれます。
直接効果は、道路が整備された直後から現れるため、道路整備の前後で交通量や走行速度などを直接計測することで、その効果を定量的に測定できます。
一方、間接効果は、直接効果が発現した後で、物流コストが低減すること、また、利用の意欲が高まることなどにより波及的に生じるため、効果測定には、ある程度の期間が必要です。
なお、道路利用者や沿道住民などが感じる意識の変化等、数字には表しにくい効果があります。これについては、ドライバー、住民等にアンケートをするなどして把握します。
最後に、ここまでは道路整備後の効果分析について述べましたが、整備に先立つ予測も整備効果分析のひとつとして行なわれます。その場合、整備前後の交通状況をそれぞれシミュレーションすることで、走行速度の向上や交通渋滞の低減などを定量的に予測し評価します。道路利用者等の意識変化については、道路交通の現状課題や整備内容などを説明し、整備後にどのような効果が得られそうかを聞き取るなどして推定します。
(2022年10月05日 更新)
(2015年11月18日 初稿)