有機性廃棄物リサイクル推進施設は、し尿や生ごみ等の有機性廃棄物の資源化を図るとともに、固液分離したうえで排水を公共用水域(河川、海域)や下水道に放流する施設です。また、悪臭等による周辺環境の悪化に配慮し、発酵槽の密閉化や建屋内収容等の方法が採用されています。
下水道が普及していない地域のし尿や浄化槽汚泥は、定期的にバキュームカーで汲み取りを行い、汚泥再生処理センター(し尿処理施設)で適正に処理したうえで、公共用水域へ放流しています。
汚泥再生処理センターでは、し尿や浄化槽汚泥を処理する過程で、発生する汚泥から資源化設備で堆肥、助燃剤、炭等の資源物として回収する他、メタンガスやリンを回収します。また、汚泥再生処理センターで生ごみを処理する場合は、生ごみを破砕したうえでし尿や浄化槽汚泥とともに処理します。
ごみ高速堆肥化施設は、生ごみ等の有機物を微生物やバクテリアの働きにより、分解し、発酵させ、ガス回収や堆肥化をする施設です。発酵の過程では発酵分解に伴う発熱によって有害細菌を死滅させ、衛生的で安全な堆肥を製造することができます。
また、堆肥に重金属類等が含まれること等があるため、製品としての堆肥には十分な品質チェックが必要です。
ごみ飼料化施設には、大別すると主に生ごみから飼料を製造する発酵・乾燥方式、油温減圧乾燥処理方式と、飼料とリサイクル油を製造する蒸煮・乾燥方式があります。
飼料に関しては、飼料が家畜に対し有害であってはならないと同時に、人間に対する食料の安全性が求められます。
有機性廃棄物リサイクル推進施設は、有機系(バイオマス)系廃棄物の利用は循環型社会の形成に資するだけでなく、メタンガスを化石燃料の代替として利用した場合には地球温暖化対策となり、低炭素社会の形成の一翼を担っているといえます。
(2019年05月10日 更新)
(2017年02月01日 初稿)