システム開発の第一歩は目的を明確にすることです。これを要求分析と呼びます。「~したい」「~しなければならない」というような表現に対応する事項です。次に目的を達成するための方法・手順等を設計します。それらを体系的に組み合わせることで目的が達成されることをこの段階で十分確認しておくことが重要です。その後、方法・手順等の具体的な内容を規定します。最後にシステムによって目的が達成されることを確認するために試験を行います。
情報システムは方法・手順等の一部としてシステムに組み込むことになります。一般的に情報システムの構築では、方法・手順を細分化し、十分単純な小さな機能に落とし込んで実装します。方法・手順はこのような小さな機能を組み合わせて実現します。情報システムが正常に動作するかどうかの試験はこの逆の流れになります。まずは小さな機能単位で試験(単体試験)し、次に関連のある機能のまとまりを試験(結合試験)します。その後情報システム全体の試験(総合試験)を行い、最後に目的が達成されるかどうかを確認する試験(システム試験)を行います。
システム開発の目的は「現実世界で発生する問題を解決すること」と言い換えることもできます。「システム開発」=「情報システム開発」と誤解されることが多いのですが、すべての問題を情報システムで解決できるわけではありませんので、広い視野に立って物事を分析する目が重要になります。
(2015年12月02日 初稿)