かわまちづくり

従来の河川環境整備は、河川管理者が地元住民等の意見を把握した上で、施設を整備し維持管理を実施してきました。一方、かわまちづくりにおいては、地域にとっての観光などの活性化に繫がる資源として河川そのものを位置づけ、河川の魅力を有効に活用した上で、河川管理者、市町村、住民等が一体となって河川環境整備の計画、整備、維持管理を実施する取り組みです。河川の改修そのものを“まちづくり”の視点で行うことが、従来の河川環境整備と異なります。

取り組みにあたっては、地域の「知恵」を活かす計画として、営業活動を行う事業者等による河川敷でのイベントやオープンカフェ等としての利用が可能であり、河川管理者はこれら地域づくりのための支援を行う柔軟な対応が可能になります。

また、かわまちづくりでは、住民・自治体・河川管理者等による協議会を設立し、ハード・ソフトの両面から持続的な活動について検討が成されていること、川の利活用方策が地域において明確となっていること、また、施設の維持管理に地域の協力が得られるものであることが必要となります。

これまで全国で多くのかわまちづくりが実施されてきており、例えば都市部の河川では、舟運やオープンカフェ等で水辺の賑わいを創出する取り組みを、自然豊かな河川では、河川沿いを散策できるフットパスを整備する等、河川の特徴を活かして、地域づくりに貢献する河川空間の整備、運営が実施されています。

参考文献
・「かわまちづくり支援制度」の概要 国土交通省
・「かわまちづくり支援制度実施要綱」

(2015年11月16日 初稿)

English

River planning with town planning

定義

かわまちづくりとは、川づくりとまちづくりが連携し、良好な水辺空間の形成を目指す取り組みです。水辺の風景や自然が織りなす歴史・文化、地域にとっての魅力的な資源であり、地域の活性化に寄与するものです。これらの資源を有効に活用し、地方公共団体や地元住民との連携のもと、水辺の整備、利活用計画による良好な空間形成に向けた円滑な推進を図る取り組みです。