三次元変位ベクトル解析

物体の変位を求めるには、実測による直接の位置計測が最も高精度ですが、対象となる物体や現象によっては困難な場合があり、様々な解析技術やセンシング技術を用いた計測や運動解析などが行われています。写真や動画に画像解析技術を適用した変位計測も行われており、その一つに画像マッチングを応用したものがあります。
画像マッチングは、時間、空間的に近接する異なる画像間で類似した領域を見つけ出す技術で、領域の画像上の移動量を算出することができます。
地形データから作成した数値地形画像に画像マッチングを適用すると、その時期間の地形の変位を面的に求めることが出来ます。
ここで求められる変位は平面的な値ですが、地形データが持つ高さ方向の情報と対応させることで、平面+高さの三次元変位を計測することが可能となります。
解析の計測精度は基となる地形データに依存するため、地形データの特性を十分に把握した上で活用することが必要です。

実測で面的な変位を得ようとすると多点での計測が必要となり多大な労力がかかりますが、画像解析技術を用いた三次元変位ベクトル解析では、実測と比較すると容易に計測点密度を向上させることができます。

地すべり土塊の移動範囲や断層周辺の変位の大きさなど、土砂災害に係わる地形の動きを捉えることで、土砂災害対策を効率的に実施していくことが期待されています。

(2015年11月18日 初稿)

English

3-D displacement vector analysis

定義

物体の位置の変化を画像解析などの解析手法によって計測し、三次元ベクトルによって示す手法です。地形を対象とすることで、地すべりや地殻変動などの三次元変位を求めることが出来ます。