特集003—復興まちづくり


未曾有の被害を出した東日本大震災において、GIS(地理空間情報技術)は、復興を支援するツールとして、様々なシーンで使われています。

まず、復興において重要なことは、家を失った被災者の方々が、極力速やかに新しい住まいで安心して暮らせること。そのためには、GIS技術を駆使し、津波や土砂災害の不安がない場所を調査・選定、測量・整地し、速やかにまちをつくることが求められます。例えば気仙沼では、地区ごとに集団防災移転を実施、以前のコミュニティをすばやくそのまま移転させています。

さらに、GIS技術は復興を妨げる要因を排除することにも使用されます。例えば被災して危険なまま放置されている場所の調査と対策立案、膨大な災害廃棄物処理の計画立案・実施、除染計画の立案、地盤沈下・隆起などの状況把握と対策立案などです。また、崩壊した防潮堤や水門の再建にも活用されます。

ついで重要なことは、まちの再編にともない、災害前よりも強靭で安心・安全な都市計画を立案することです。新しいまちづくりには、集落の場所、商業集積の場所、道路の路線、避難施設など、都市機能の再デザインが必要です。そのためには、計画立案、関係各省の許認可など、膨大な作業が発生します。こうした諸作業を一元管理し、より住民のニーズに合う都市計画を行うのにはGIS技術が不可欠です。これらのデータは様々な形に加工され、計画だけでなく、工事や監理、住民の合意形成においても使われます。

そして、コミュニティとしての活力を回復させることも、復興まちづくりの重要なポイントです。場所に紐付いた情報を管理するGISは、地域特性を把握し、そのポテンシャルを最大限に活かすアイデアを出すために、非常に重要です。



災害に強いまちづくりによる復興支援

1. 防災対策


3次元データ計測

各種シミュレーション、海洋短波レーダー

防災情報伝達システム、防災教育

砂防情報管理システム、斜面監視



2. 被災直後


航空写真等の撮影、写真判読・画像解析

津波痕跡調査、津波解析シミュレーション



3. 復旧


道路・港湾施設の調査、設計

被災地における現況調査、復興パターン検討

災害復興計画基図の作成

災害廃棄物調査、処理計画策定

道路・港湾施設などの調査、設計



4. 復興


道路・橋梁・港湾などの調査・設計

液状化対策・斜面保全対策

放射線量測定・除染計画策定

再生可能エネルギー導入に向けた調査・計画・建設

産業復興(被災者などの雇用創出)